貯金だけを頑張ってる人へ。それ危険です。
なぜなら、現金は時間と共にゴミになっていくから。
「あ、これ詐欺のセールストークだ!」と思った方。まあ話を聞いてください。
たしかに、これは詐欺でよく使われる常套句ですが、実はあながち嘘じゃないんですよ。
現金は年々ゴミになります。なぜ現金がゴミになるのか?
結論:世界はインフレしてるから。
このインフレ・デフレの原則は、資産運用を学ぶ上で最低限は知っておかないとキツイです。
ただ割と難しい話なので、当記事で小学生でもわかるよう解説します。
インフレとはなんじゃ?
インフレとデフレって、ニュースやSNSで一度くらいは聞いたことがありますよね?
めちゃくちゃ簡単に言うと、
- インフレ:物の値段が上がること
- デフレ:物の値段が下がること
です。
分かりやすいのは、自販機で買えるコカ・コーラ。あれ昔は150円だったのに、今や200円に値上がりしてますよね?

マクドナルドも、大昔はハンバーガー80円とか激安だったのに、今や190円。

最近だと東京の家賃もゴリゴリ上がってます。

これを見て、
「物の値段が上がってるんだな」
「でも、人件費や燃料費も上がってるし仕方ないか…」
と普通の人は考えます。
しかし、投資家はこう考えます。
「円の価値が落ちてるじゃん」と。
つまり、こういう事です。
昔は150円でコーラが買えた。今は200円出さないと買えない。
じゃあ極論、100年後にはコーラ1本1万円になったとしましょう。
コーラの価値が劇的に上がったのか?
飲んだら寿命が延びるように進化した?
違います。
“1万円”の価値が落ちたんです。
コーラは何も変わってません。ただの砂糖入り炭酸飲料。
そうではなく、1万円という日本の通貨そのものが「おめぇ~の価値なんざ、この程度しかねぇ~んだよ」と世界のモヒカンから吐き捨てられる通貨になった。
北斗の拳のアレ
核戦争後の世界を描いた漫画「北斗の拳」で、下記のようなシーンがあります。
北斗の拳の世界では、国が崩壊してるので、通貨が価値を失ってモノと交換できなくなったのです。
1万円で何も買えない。だから「ケツをふく紙にもなりゃしない」と言って豪快に捨ててるのです(お金で尻をふくとインクがつくので)
これは極端な例ですが、インフレが続くとこういう世界になるのです。
これを現実世界でやらかしたのがジンバブエという国なんですけど。(詳しくやると長いので省略します)
ともあれ「インフレ」という現象が続く限り、現金の価値はどんどん落ちていきます。
こんなの続いたらヤバいじゃん!
…と思うかもしれませんが、安心してください。
インフレは賃金もあわせて上昇するので、仮にコカ・コーラ1本1万円の世界になったら、新卒の月収1000万円とかになってます。
(日本は社会保険料がクソほど高いので、賃金上昇が追い付いてないけど…)
そして、世界は基本的に「2%のインフレ率」を継続しようね!という目標をもって動いてます。
世界のえらい経済学者が決めたんですけど、どうやら2%ずつインフレすると「穏やかなインフレ」といって、経済が順調に成長するそうです。
ちょうどいい湯加減のお風呂みたいな。
……
さて、ここで冷静に考えてください。
世界は2%ずつインフレする
= 2%ずつ物の価値が上がる(コーラとか)
= 現金の価値が2%ずつ落ちていく
こういう方程式が成り立ちませんか?
成り立ちますよね。
つまり、世界全体で「毎年、現金の価値を落としてやるぜ」と意気揚々と歩いてるのが、世界経済の流れ、および私たちの生きている資本主義社会のシステムだということです。
じゃあ、ずーっと貯金してたら?
「毎年2%ずつ自動で損してる」って事になりますよね。はい、現金がゴミになっていく!
補足:ここから詐欺トーク
「だから奥さん! 大事な資産を守るために、インフレで値上がりする純金コインを買いましょうね?」
…というセールストークで金投資詐欺をやっていたのが「豊田商事」という詐欺会社です。
あ、ここは社長が刺されて大事件になりました。
ゆっくり解説の方がわかりやすい↓
昔はこういう詐欺が多かったので、昭和生まれの人はいまだに投資=怪しい、という警戒心が強いという歴史があります。
親世代が「貯金大好き、投資は詐欺」と合言葉のようにいうのは、こういう詐欺への防衛策だったわけです。
ただ、上記の豊田商事は「金に投資しましょう」と言いながら、お金だけパクッて実際には金を買い付けなかった…というほぼドロボーのような詐欺だったので、投資した人がまるまる大損したという訳です。
ちなみに、田中貴金属など、ちゃんとした大企業で金を購入してれば値上がりしてました。
詐欺の話はここまで。
「でも、本当に現金って長期的に2%ずつ価値落ちてるんか?」
の答え合わせをしましょう。
現金・米国株・純金それぞれの長期チャート
このチャートを見てほしいんですけど、
濃い青:米国株100%
緑色:米ドル貯金100%
灰色:純金100%
それぞれ1972年に投資したら、どのような値動きになったか?のチャートです。
なお現金は預金金利が付く設定にしています。
(日本だと貯金しても全然増えませんが、アメリカではちゃんと金利が付きます)
いかがでしょうか?
「まあ、株式や純金の方が値上がりしてるけど、いうて現金も粘ってない?」と思うかもしれません。
しかし、このチャートはインフレ率…つまり物価上昇を1ミリも反映させていません。
つまり「コカ・コーラが永遠に150円のまま」という設定でのチャートです。
インフレによる物価上昇を加味すると、こうなります。(Inflation adjusted)
えぐすぎー!
現金が地を這っている中、米国株と純金は上下こそあれど、最終的に10倍近いスコア差をつけて値上がりしています。
これが「お金持ちは、もっとお金持ちになっていく」という資本主義の残酷なルールであり、貯金だけしてると毎年2%ずつゴミになっていく根拠です。
冷静に考えてみれば、日本円も米ドルも、政府が好き放題に印刷できる紙切れでしか無いのです。
もしそれを好き放題にドナルドトランプが印刷してたら、そりゃー純金の方がまだマシじゃ。GoogleとかAppleの株式の方がまだマシじゃ。となりますよね?
なので、現金だけしか持ってないと年々ゴミになっていくのです。
この仮想チャートは「バックテスト・ポートフォリオ」というサイトで無料でシミュレーションできます。気になる方はいじってみてください↓
結論:少しずつでいいから、投資せよ
いかがだったでしょうか?
投資を一切しない、日本円の貯金100%だけを後生大事に持っていると、いかにインフレにボコられるか理解できたと思います。
という訳で、第1章の結論
Q:なぜ投資・資産運用をしないとヤバいのか?
A:世界はインフレしてるから。
これだけ理解していただければ幸いです。
第二章では何に投資すればいいんじゃい、という話をしますかね。お楽しみに。