「学生時代に最も打ち込んだことは何ですか?」
「ありません」
もし面接で、こんな回答をしたら瞬く間に不採用になってしまうでしょう。
どうも。クロネコ屋です。今回は、新卒面接において定番の質問『学生時代に最も打ち込んだこと』の対策を紹介します。
打ち込んだ事がある人は、当記事はスルーして下さい。今回は、打ち込んだ事が何もなくて困ってる人向けの情報です。
いわゆるノンバイサー(バイトもサークルもやってない就活生)が、それに当たります。
さっそく、対策法を見ていきましょう。
目次(もくじ)
結論:今すぐ何かに打ち込んで実績をでっち上げろ
結論から言うと『今すぐ何かに打ち込んで、実績を作ってしまえ』というのが答えになります。
…すみません、石を投げないで下さい。キチンと説明します。
今すぐ打ち込めといっても、何も就活が始まってから経営者の自伝を速攻で100冊読破して
『私が学生時代に打ち込んだことは読書です。一流の経営者の方の価値観を勉強するために、経営者の自伝に絞って100冊以上を読み勉強しました』
なんて力技でゴリ押しせよ、とまでは言ってません。
もちろん、時間と余力が許すなら、この手法が最高の対策になります。
しかし、就活生というのは得てして面倒くさがりなはず。なるべく手間暇をかけない、かつ効果的な対策を知りたいですよね。
楽にできて、なおかつ効果的な回答を探るためにも、まずはこの質問の意図について学びましょう。
この質問の意図は『努力したエピソードを知りたい』
学生時代に最も打ち込んだ事の質問で、面接官が聞きたい事は『この人は、どんな努力をしてきたのかな?』という事です。
例えば、あなたが柔道部で高校・大学と柔道に打ち込んできたのであれば、
- 打ち込んできた事は柔道です
- めっちゃ練習して県大会で優勝しました
- 途中、何度も辞めようと思いましたが両親や仲間に支えられてウンタラカンタラ。
- 柔道で鍛えた不屈の精神と、感謝の心で御社に貢献します
みたいな超理想的な回答を出せる訳です。
恐らく、これを読んでいる方は柔道部ではないでしょうから、あくまで理想的な回答例として見て下さい。
もちろん、柔道ではなく将棋でも良いですし、演劇でも良いですし、筋トレでも構いません。
重要なのは「何をやったか」ではなく「全力で取り組み、努力し、何を学び、何を成し遂げたか」というストーリー。
そして「この学びを御社で活かし貢献します」という俺会社に役立つ人材ですよアピールです。
勘違いしないで欲しいのは、会社はあなたが何に打ち込んできたかなんて、どうでも良いのです。
社長のおっちゃんが元野球少年で、野球に打ち込んだ学生をえこひいきして内定を出しちゃうケースなどはありますが、一般的には何でも構いません。
大事なのは本質、つまり先程あげた部分を見てきます。
それを踏まえて、あなた。何も打ち込んだ事がない。これでは打つ手がありません。戦車に対して竹槍一つで立ち向かうようなものです。
0に何をかけても0であるように、とりあえず0から1にしないと、就活そのものを断念せざるを得ない自体に追い込まれます。
脅かしてしまい、すみません。しかし、学生時代に打ち込んだ事が無いというのは、それほどの痛手という事を分かって下さい。
で、結論に戻ります。
今すぐ何かに打ち込んで、エピソードをでっち上げて下さい。
でっち上げというと、嘘をつくように聞こえますが、嘘じゃありません。「即席麺のような仮の打ち込みエピソードを早急に用意する」という意味合いです。
具体的に何をすればいいのか、次項で紹介します。
回答例:企業研究に打ち込んでエピソードに仕上げる
企業研究に打ち込むって、どういう事? と混乱するかもしれませんね。
とりあえず、例文を読んで下さい。
ーー
「私が学生時代に打ち込んだ事は企業研究です。
正確には、就活が始まってから打ち込んだので、質問の意図とは少しずれてしまうかもしれません。
しかし、実は、私は学生時代に打ち込んだ事がないのです。私は部活動やサークルに所属しておらず、アルバイトもやっていませんでした。
なので、皆さんのように語れるエピソードがなく、就職活動にするにあたって困っていたのですが、ならば今から打ち込んだ実績を作ればいい。そして企業研究なら就職活動にも役立つので、一石二鳥だと感じ、この1ヶ月、企業研究に打ち込んできました。
具体的に、どのような企業研究をしたのか、簡単に説明させて頂きます」
「私はドラッグストアとコンビニエンスストアにおける、商品の価格差について研究しました。
小売業への就職を希望している訳ではないのですが、小売店は最も身近で、価格の差を調べる事はマーケティングに役立つと考えたからです。
まず、コンビニの方が安い商品と、ドラッグストアの方が安い商品。そして、どちらか一方にしか無い商品をリストアップしました。
そして価格差を調べた結果、面白い事が分かったのです。
ほとんどの商品はドラッグストアの方が安いが、コンビニのプライベート商品に関してはドラッグストアより安い、という事実です。
私はコンビニは利便性が高いかわりに価格が高い、と思っていましたが、プライベート商品に限ってはドラッグストアよりお得でした。特に洗剤は、1リットルあたりの単価はコンビニの方が5円安かったのです。
研究結果をすべて話すと、時間オーバーになってしまうと思いますので、このへんで終わらせて頂きます。
ともあれ、私が学生時代に打ち込んだことは企業研究です。現在も就職活動をする傍ら、価格差のチェックをしておりますので、お近くのコンビニで見かけた際は、気軽に声をかけて下さい。以上です」
ーー
いかがですか? めっちゃ優秀な学生だと思いませんか?
でも、よくよく考えてみると、この人は学生時代に何も打ち込んでこなかったノンバイサーの学生なんですよね。
にも関わらず、なんかよく分からないけど、めっちゃマーケティングの勉強してる行動力MAXの学生だ! と感じませんか?
やってる事は、ドラッグストアとコンビニの商品比較をしてるだけなので、ぶっちゃけ1ヶ月もかかりません。その気になれば3日でリストアップして、それっぽいレポートが作れます。
しかし、なぜこんなにもパワーのある回答が出来たのか。
コツは冒頭部分。
最初に『実は、学生時代に打ち込んだ事がない』と告白していることがポイントです。
普通の学生は、質問に答えるために、打ち込んだことをせっせと喋り、エピソードを話します。しかし、この学生は「ありません」と、いうなれば不利になる情報をあえて出しているのです。
普通の学生なら、仮に学生時代に打ち込んだ事がなくても何かしら取り繕うでしょう。けれど、このケースでは、あえてそれを正直に告白することで、誠実さを印象付ける事に成功しています。
・就職活動で内定が取れる人の自己PR。あえて弱みを出す事で採用されるケースもある
上記の記事でも書きましたが、人は弱みを告白されると、好感を抱くものです。
この正直な告白のあとに『不利な状況だけど、それでも諦めず必死に頑張ってエピソードを作った』というストーリーが付与される事で
・粘り強さ
・機転の良さ
・誠実さ
といったポイントが加点されるのです。さらに、最終部分では「長くなってしまうのでここで終わります」と時間配分にも気を配り、気配りもプラス。
最後に「コンビニで見かけたら声かけて」とジョークで締めて、完璧な幕切れです。
ちなみに企業研究の内容は何でも良くて、株式チャートのチェックでも良いですし、商品の満足度アンケートでも良いです。経営学部のゼミの課題みたいなレベルでOK。
これなら、数日でサクッと打ち込んだ事を作れちゃいますね。
まとめ:ノンバイサーでも本質を掴めば楽に対策できる
学生時代に打ち込んだ事が無い人にとって、この質問は「ウッ!」と胃液が出そうになるくらい嫌な質問です。
しかし、企業はその質問から何を知りたいのか、しっかり本質を掴んでおけば、表面的な部分(打ち込んだこと)は重要ではない事に気付くはずです。
マリー・アントワネットのように「パンがないならケーキを食べればいいじゃない」的なノリで「打ち込んだエピソードが無ければ作ればいいじゃない」と機転を利かせる事が、就活という戦場で生き残るコツですよ。
ぜひ参考にして下さいね。